おおたTS



おおたTSネットってこんな風にできたのだ

おおたTSネット代表 志村陽子

 2008年に設置された「大田区地域自立支援協議会」(現・大田区自立支援協議会)に親の会より委員として参加、その副会長~会長を引き受ける時、当事者・家族だけでない、障害福祉に関わる人たちとのつながり…ネットワークつくりと、「官民協働」を謳う自立支援協議会をどう組織運営していくかということに腐心する日々でした。そこに「防災部会」を設置させてもらうのに際して、当時の事務局もよく了解してくれたと思っています。他の部会にはない「地域」へのアウトリーチ活動が始まりました。

 一方で、気になり続けていた「権利擁護」に関しては、野澤和弘氏の率いる“Pand-J”から学ばせてもらっていました。自分なりには「制度」だけでなく「地域社会」のあり様から息子の未来を考えるようになってきました。

 そんな中、同じく野澤さんの口から「トラブルシューター」という言葉を聞き、息子たちのような人たちを、地域で受け入れるために尽力されようと、若い弁護士さんたちが東京TSネットを立ち上げてくれたことを知り、喜んでその仲間に紛れ込ませてもらいました。その必要性に関して自立支援協議会にお招きすることも叶いました。そしてまた一方で、そのことを理解してもらうためには、「地域型TSネット」の立ち上げは必須だと考えるようになりました。

 幸い自立支援協議会のメンバー(事務局含む)に賛同してくれる人たちがあり、有志の集まりとして、2016年に「おおたTSネット」を立ち上げることができました。地域では任意の「障害者団体」として区民活動団体登録し、社会福祉協議会から支援をもらえるようになりました。

 「ゆる~いつながりを作ろう」という趣旨をもって毎月の定例会と年に3回ほどの拡大定例会(学習会)の開催を重ねるうち、「権利擁護」を意識していくということは「障害」分野だけでは収まらないこと、なにがしかの“生き辛さ”の要素のひとつが「障害」と分析されるだけで、「権利擁護」そのものは誰にも必要な基礎基本であるということを意識するようになってきました。

また一方で、みなさんの困りごとの中には「福祉」では解決しきれず、「司法手続き」がそれを解きほぐす貴重な手段でもある事を学ばせてもらったり、ご縁あり実際に地域にお引き受けする事例が、関わる仲間の連携と学びの機会を作ってくれたりしています。