奄美TS


どうやって作る?我が地域にトラブルシュータ(TS)ネッワークを!

 自然豊かな奄美大島で、何を想い・何を考えトラブルシューター(以下TS)を作ろうと考えたのか・・・

 きっかけは、ある利用者様との出会いと野澤さんや堀江先生方の研修会が大きな転機で、平成27年の事でした。地域に研修会を呼びかけ、小さな離島で、約80名もの参加者が来ていただき、必要性を感じた事を思い出します。また、性トラブルに関して、相談を受け支援しようにも手立てがなく、堀江先生へ連絡し、性支援の研修会を新たに開催していただきました。その時には、参加者の半数以上が教職員であり、学校教育現場での必要性や卒後の関りなども顕在化していき、あらためて地域に必要であると強く感じました。

 実際、当時は、僕1人からの1人TS活動を展開し、研修会の案内や仲間集めに各機関や事業所を回っていました。そこで出会った弁護士と一緒に、1人から2人へ変わり、さらに地道に地ならしをしていき、平成30年にコアメンバー(約10名)を軸に、奄美TSが発足しました。

 奄美TSのコンセプトは、「地域共生社会の実現」が掲げられている中で、超少子高齢化・人口減少が進み、特に、離島などでは、人々の生活領域における支え合い基盤の脆弱化や地域社会の担い手減少により、耕作放棄地や・空き家・空き店舗など様々な課題が著明化され、対象別・機能別に整備されてきた公的支援も、複合的な支援を必要とする状況がみられるなか、対応が困難なケースが浮き彫りになってきました。そうした背景を踏まえ、住民が世代や背景を超えてつながり、相互に役割を持ち、「支え手」「受け手」という関係を超えた支え合う取り組みを育み、あらゆる住民が地域で自立した生活を送ることができるよう、地域住民の支え合いと公的制度が連動する仕組みを確立したいと・・・しかし、これらのことは言葉にするのは容易ですが、実践することは極めて困難であり、疲弊していく地方のなかで、僕たちがこれらをひとつひとつ実践していくことは、自分たちが暮らす地域を良くしていくことはもちろんのこと地域福祉のあり方や考え方に、少しでも関われる動きでもあると考えています。地域を回す歯車の一つが、奄美TSでありたいの願いです。

 『排除するのではなく、受け入れるシステムや仲間』として、また、僕たちは、専門職であり前に、地域の住民である事を念頭に、地域の中で、見守りながら生活していける社会の実現を考えています。

 だからこそ平成30年に6か年計画を掲げ、まずはコアメンバーが、しっかりと自分たちの地域をイメージし、相互にもてる機能や役割を確認・共有することからはじめ、徐々に、TS活動を、地域に浸透させていく事から始めています。